本　文

広島市安佐動動物の和名統一のために

上野動物園　小森　厚

従来、動物の和名を統一する方法について色々な機会に論ぜられてきましたが、その完全実施までには、まだかなりの段階と時間を要すると思います。
そこで、この統一への一方向を具体的に打ち出す一歩として、この「動物園水族館雑誌」を大いに活用することを、提案したいと思います。
ところが、過去の種々な報告を見ても、なかなか、総一の約束がまもられておらないようです。これは、現在の動物園界が、オーソドックスな動物学者のスタッフに欠けており、それと同時に、指導的な立場におられる獣医諸士が、専門の臨症にのみ重点をおき、この点にあまり関心の示しかたがなくなりがちなためだと思われます。
そこで、この「雑誌」を学術雑誌としても恥かしくないものに盛り上げるために、次の事項を守っていくよう、お互に努力してゆきたいものと提案します。
1　従来からの和名については、日本動物園水族館協会年報の一覧表によること。
2新しい和名を命令した場合には、この雑誌を通じて徹底をはかりたい。
3さらに念のため、学名を併記する習慣をつけたい。