未発表の新種シマダコについて

発行年・号

1960-02-01

文献名

飼育下グラントシマウマの発情日数と発情周期

所 属

鳥羽水族館

執筆者

ページ

13

本 文

広島市安佐動未発表の新種シマダコについて

鳥羽水族館

1960年3月16日に当館に入ったタコが新種であり、この種としては第2番目に採集されたものであることが明らかにされた。
このタコは鳥羽市相差町地先のタコツボによりマダコと一しよに漁獲されたもので、体形はテナガダコに似て腕が長く体色は紫褐色で、吸盤部は普通のタコのように白色であるが体表及び腕には写真の如く鮮かな白色の条斑紋があり、刺戟するときにはこの部分が青白色を呈して燐光状に発光するのが観察された。
残念作ら飼育後一週間で斃死してしまったが、その後、広島大学の滝巌教授により、以前に大分県の溝江で採集され宮島水族館より送られたものと同種であり、学界未記録の新種であることが確認された。当館に保存されているものは、
体重 1.2kg
外套長 11.0cm
第1腕長 73.0cm(最長)
第4腕長 58.0cm(最短)
全長 87.0cm である。
このタコは滝教授により、近く学界に発表されることになっている。