鶏頭クラッシャー
発行年・号
1959-01-02
文献名
飼育下グラントシマウマの発情日数と発情周期
所 属
上野動物園
執筆者
ページ
31
本 文
広島市安佐動鶏頭クラッシャー
上野動物園
上野動物園では、中・小型の食肉獣、猛禽類、ふくろう類などに与える鶏頭の量は、1日650ケをこえる。この鶏頭を与える場合、丸ごとよりも、多少、たたいて、骨をくだいた方が、残すことも少く、消化もよいようである。ところが、この鶏頭を「砕く」ことは、なかなか時間のかかる作業で、方法も、丸太を「きね」にして、たたきつぶすという原始的なことを行っていた。
これを、何とか機械化すべく、色々、調査を行ったところ、鶏頭をミンチにする、いわゆる焼肉器のようなものはあるが、原型を、あまりこわさないで、つぶすだけに適当な調理器具は、みつからなかった。そこで、セメントの原料をつくる岩石クラッシャーや、電気洗濯機のしぼり機にヒントを得て、ローラーをつかって、鶏頭をおしつぶすことを考えた。はじめは、直径12.5cmの鉄のドラムをローラーにしたが、鶏頭がすべって、うまくいかない。そこで、1cmほどの凸起を植えたところ、目的を達することが出来た。
なにしろ、1台のみの試作なので、製作費は7万円を上まわったが、数台まとめれば、もう少し、手頃の値段になると思う。試作品なので欠点も多いので、次に作られる方のために、その主なるものをのべてみよう。
(1)ドラムの凸起は1cmでは長すぎる、5mm位がよい。
(2)ドラムにへばりついた鶏頭をとるために、ワイヤヤブラシか、櫛の「はがし」をつけた方がよい。
(3)水で流し洗いが出来るように、モーターや、歯車などを水から防ぐようにしなけらばならない。
(4)漏斗や受板の取付角度や傾料などは、さらに工夫を要する。
(5)量が多い場合は、モーターは1/2馬力くらい必要である。